
ある心理学者のグループによる有名な調査研究によると、
マンハッタン北部に建設された公営集合住宅「ダイクマン」の居住者に親しい友人の名前を挙げてもらったところ、
その友人の88%は同じビルに住み、さらにその半数が同じ階に住んでいるという結果が出ている。
一般的には人は同じくらいの年齢で同人種の友人を選ぶ傾向にある。
だが、同じ建物に住んでいる場合、年齢や人種はあまり問題でなくなる。
近接しているという要素が、互いに共通しているという要素を上回るのである。
ユタ大学の学生を対象におこなった別の調査では、
友人を選ぶ根拠を尋ねると、性向が似ているからという答えがほとんどだった。
しかし、その性向について詳しく質問してみると、たんに性向が似ているということ以上に、
二人が同じ活動をしているという共通点があることがわかった。
わたしたちは、互いに似ているから友人になるだけでなく、同じ活動をしているということからも友人になるのである。
言い換えれば、わたしたちはわざわざ友人を探し出すわけではない。
小さな物理的空間を共有している人と連携するのである。
引用:「急に売れはじめるにはワケがある」
マルコム・グラッドウェル 著
高橋啓 訳
SB文庫
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