
もし人間として本当に向上したいと望むなら、「だれかのせいで○○できない」という愚かな考えを捨てなければなりません。
自分を阻んでいるのは、自分自身にほかならないことに気づきましょう。
うまくいかない原因を他人のせいにするのは、自分の欠点を暴露しているようなもの。
それに気づけば、知恵の光に照らされ、心には安らぎが訪れます。
そしてやがては、利己心を完全に克服することができるはずです。
人がたえず人間関係で悩んでいるという事実は、他人とのかかわりが自分自身をより深く知り、自分の心のあり方をより気高く、ゆるぎないものにするために必要だからでしょう。
克服できない障害だと思っている事柄こそが、自分の道徳的責任や生まれもった善を行うパワーを十分に理解したときに、もっとも自分を向上させてくれるものなのです。
それを知れば、みずからの卑怯な行いをだれかのせいにすることはなくなり、いかなる状況にあっても、誠実に人生を歩んでいけるようになるでしょう。
目からは自己欺瞞のうろこが落ち、それまでは悪へ誘惑される被害者だとばかり思っていたのが、実際は、自分自身にその原因があったことにも気づくでしょう。
自分の心の欠点を克服すれば、同じ欠点を持つ人々と交わる必要もなくなり、おのずと善良で高潔な人々との交流が生まれます。
_______
「起こること」にはすべて意味がある
ジェームズ・アレン 著
三笠書房より
![]() |