萩本欽一 内容は正しくても言い方が正しくなければ、それは正しくない!

banner02
上司と後輩 いいため話
画像:form.allabout.co.jp

言葉のパンチを出す人って、どこの会社にもいる。

そういう人は、すぐに上司や同僚とケンカになって、職場の空気を悪くするし、自分の立場も悪くする。

会社の中では「正論」が、危険なパンチになることがよくあるよね。

これは言い方が正しくないってこと。

言ってることが正しくても、言い方が正しくなければ、その日本語は正しくないし、相手を気持ち悪くさせる。

「どうして、すぐにA社に連絡をしなかったんですか?

それは、A社が処理すべき問題であって、ウチがやるべきことではないでしょう。

莫大な時間と経費のムダですよ」

なんて、まくしたてる。

自分が言っていることに間違いはないと確信してるから、自信満々にまくしたてる。

こんなことがわからないなんて、どうかしてるんじゃないですか?と言わんばかりに正論をぶつける。

言われているほうとしては、こいつの言っていることは正論であるんだけど…、という気持ちすらフッ飛んで、ひたすらどこまでも気分が悪くなる。

こいつは人の気持ちのわからないヤツだ、人間として最低だ、というような気分を高める。

そうならないためには、どうすればいいのか。

正論を言うときには、その頭やおしりに、かわいげのある言葉を足せばいいの。

たとえば「ボクみたいな、いつもヘマばっかりやっている人間が言うのもなんなんですけど…」のような言葉を頭にくっつけてみる。

感情が高ぶって、つい、頭に言葉を足すのを忘れたときでも、おしりのところに「…なーんて、みなさんが先刻ご承知のことをエラそうに言っている自分が、恥ずかしくなってきました」のような言葉を足せば、正論の破壊力が、ずいぶん緩和される。

頭とおしりと両方に、かわいげのある言葉を足せば、もっともっと緩和される。

自分なりにかわいげのある言葉を、いくつか用意して持っておくと、自分も相手も会話で気持ち悪くなることがめっきり減るから、すごくいい。

言葉のパンチが、パンチじゃなくて、相手のほおをなでてるくらいの、ソフトな言葉に変わるからね。

『人生が楽しくなる気持ちのいい日本語』

ゴマ文庫