郷ひろみ「アイドルは変わらなくていいのか?」

いいため話 郷ひろみ
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プロの歌手になって40年が過ぎました。

大変な世界のなかで、なんとかやってきたわけですが、多くの人は僕のことを「郷さんは変わらないですね」と言う。

でも、そんなことはない。

なんといっても、僕が仕事をしている世界は日々、変わらなければ生き残れないところなのだから。

大衆が求めているエンタテイメントの内容だって変化してきています。

時代環境のなかで歌手もかわらざるをえないのです。

変化についていけなかったら「過去の人」になってしまう。

だから、僕は必死にもがいて方向性を求め、どんな歌でも歌えるようレッスンを繰り返す。

僕は美空ひばりさんとご一緒させていただいたことがありますが、「うまい」というレベルを超えていました。

あの人こそ天性の歌手で、100年に1人の才能でした。

それくらい、実力のある人でも、レッスンは欠かさなかった。

実力を支えるのはレッスンです。

そして、ナポレオン・ヒルが書いた『成功哲学』にあるように、「これでいいと思った瞬間に成功は止まる」のです。

美空ひばりさんを見ていて、ますます自分もレッスンしなきゃいけないという気になりました。

ただ、こんな話はあまりテレビじゃやらないようにしているんですよ。

僕らの仕事は練習を重ねているところをあまり積極的にアピールすればいいわけではない。

シンクロナイズスイミングと同じで、お客様には水面上の表現行為だけを見ていただけたらそれでいいんです。

水面下で手と足をバタつかせているところを見せなくてもいいと思うんです。

引用:岡正人 著
『経営者はアイドルでなくてはならない』プレジデント社