
昔から寄付だとかボランティアってのは、世間にバレないようにコッソリやるのが当たり前で、それが美徳だったと思うけどな。
寄付するのはかまわネェけど、「私は寄付しました」っておおっぴらに名乗るのは、何だか違う感じがするね。
ニッポン人の「粋」ってのは、昔からそういうもんだったはずだぜ。
時代劇なんか観てたってそうじゃない。
人助けをして「おじさん、お名前は?」って聞かれても、「名乗るほどのもんじゃねェよ」って去っていくのがいい話だったわけ。
誰かを助けるときには「オレからカネをもらったなんて絶対に言うなよ。みっともないから」っていうのが基本だったんだよな。
それが今じゃ、振込用紙をネットにアップして「寄付しました~」ってアピールしてるバカがいる。
せっかくいいことしてるのに、あんまり下品だから損しちゃうんだよね。
そもそもボランティアってのは「気持ち」が大事なはずだからさ。
「500万円」なら褒められて、「50円」だったらバカにされるってもんでもない。
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テレビじゃ言えない
ビートたけし 著
小学館新書より
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