
幕末から明治期にかけて活躍された資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一さんが、貧しい人や、浮浪少年などの世話をする施設である「養育院」をつくったことがあるんです。
そこに収容される人物たちを長年観察していると渋沢さんは一貫した特徴があることに気づいたといいます。
彼らの共通する特徴は、「常に自分の都合だけを考えている」ということでした。
普通、自分だけよければいいと思っていたら、自分のことくらいは真っ先に良くなりそうですよね。
でも、自分だけよければいいと思っていると、自分すらよくならなかったんです。
自分ひとりすら養っていけなくなっていたわけですから。
ここで、渋沢栄一は気づいたのです。
自分が存在する意義というのは、自分のためだけにあるのではなく、社会のため、他人のためにあると。
それで、『論語と算盤』(国書刊行会)という本を書き、500以上の企業の設立に関わり、600以上もの社会事業に携りました。
うまくいかないのは、「わたしが、わたしが」、という余分な「が」(我)を握りしめていたからだったんです。
(中略)
僕らは、「Alone」(ひとりぼっち)じゃなく、「All one」(すべてひとつ)だったんです。
だから、他人にしてあげることは、自分にしていることとイコールなのです。
投げかけたものが受け取るものなのです。
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実践!世界一ふざけた夢の叶え方
ひすいこたろう、菅野一勢、柳田厚志 著
フォレスト出版
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