
まだ幼かったとき、亡き父から、よく次のようにいわれたものである。
「たえず、次にしなければならないことを考えて、一番よい状態を準備してから、物事をやるクセをつけなさい。
たとえば、他家を訪問したとしよう。
靴を脱いだときには、すぐはけるようにまず出口の方を向け、靴すべりを靴の横に準備し、きちっとそろえてから上にあがるのですよ。
また、夜、寝るときには、翌日の着るもの、はくもの、持ってゆくものなどを、自分の翌朝身につける順序に、きちっとふとんの横にそろえておくものだよ」と。
おかげで、私は、たえずベストの状態に自分を置いておくことの、無意識的訓練を積み重ねたようである。
《勝者の条件》
『未来を変えるクセづけ』海竜社
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