
お金をかけずに仕事の成果を出す方法は何かと聞かれたら、私は「気づかい」と答えます。
人間関係の悩みを解決するいい方法はないかと聞かれたら、同じく「気づかい」と答えます。
私はこれまで、老舗の化粧品会社であるポーラで、55年にわたり、セールスレディをしてきました。
その間ずっと、トップクラスの営業成績をおさめてきました。
何のとりえもない自分が半世紀以上にわたりポーラレディを続けられたのは、ひとえに若い頃から常日ごろ、「気づかい」を心がけてきたことによると思います。
気づかいはほんのささいなところに表れるものです。
あなたは人に質問や相談をして助言をもらった後、きちんと経過報告をしていますか?
私は研修会などで講演をさせていただく機会があります。
楽屋には多くの後輩たちが訪れ、私に個別に質問を投げかけてくれます。
もちろん私は、全力で質問にお答えします。
しかし、その後、後輩の皆さんから結果の報告がこないことがしばしばあります。
人に相談をしたら、必ず結果の報告をするのが、人としての礼儀のはず。
報告が一言あるだけで「お役に立てたのだな」とうれしくなります。
「一言、報告しておこう」というささいなことに気づかない人は、大きなことには気づけないと思うのです。
気づかいは、難しいことはなく、いたってシンプル。
相手が喜ぶ姿を想像する、それだけでいいのです。
なぜ、気づかいができないのでしょう?
気づかいの本質は、「相手を大切にすること」です。
言い変えると、「相手の時間を大切にすること」でもあります。
しかし、そこまで気が回らず、「自分のことで手いっぱい」という「自己中心的な人」が、残念ながら圧倒的大多数を占めているのです。
「相手の時間を大切にすること」を心に刻み込むだけで、行動は別人のように変わってきます。
つまり、気づかいができない人は、考え方や行動が100%「自分主体」で「相手主体」という視点がごっそりと欠落しているのです。
あなたの性格や人としての資質が、どんなに素晴らしくても、気づかいをするかどうかで、人に好かれるかどうかが決まり、人生の質さえ変わってきます。
引用:森本早苗 著
『ちょっとした気づかいがあなたの人生を変える』アスコム
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